贄の町|物語
    


「俺はどうしてこんなところへ来たんだ?」



十代で家族を亡くし、
今はガテン系バイトを掛け持ちして暮らす主人公の日天。


バイト漬けの日々を送っていたある日、
暗い路地に入って行く喪服の青年に目を引かれ、
彼が白い花束を落としたことに気づく。
放っておけず、思わず花束を拾ってあとを追う。


しかし、暗く長い路地を抜けた先で青年を見失った日天は、
気がつくと、異界の入り口に――「宿」に立っていた。


呆然とする中、宿の住人たちに迎え入れられ、聞かされる。



そこは、死が遠い世界だと。



頭を潰されても喋る男に、自分の生首をボールにして遊ぶ子供。
そして、恐ろしい異形たち。



そんな不気味なものたちがうごめく世界へ
ただ一人の生身の人間として迷いこんだ日天は、
元の世界へ帰ろうとするが、その道はどこにもない。



それでも日天は、宿の住人の力を借りて、帰還する方法を探す。


生者の匂いに群がる死者たちが住むという「町」へ乗りこんで――。



命がけの捜索の果てに、日天が見つけたものは……?