日天
「おっと」
アイスを持っていない方の手に、冷たいものが落ちた。
まだ食べ始めたばかりなのに、やけに溶けやすいな。
日天
「んっ?」
黒い。アイスの色じゃない。
なんなのかよくわからない黒い液体が、
俺の手に付着していた。
なんだ? どこからか汚れた水でも
落ちてきてるのか?
そう思って、何気なく頭上を見上げた。
そこに
――いた。
不気味な骸骨のような顔が、
俺の背後から乗り出すようにして覗き込んでいた。
黒い涎が、落ちる。
もう一度俺の手にぼとりと落ちて、
生肉が腐ったような悪臭を漂わせた。
『死ニ、タ、クナイ』
耳の奥で何かが聞こえたような気がした。