大家
「今日から流し始めたコマーシャルだよ」
日天
「俺の事が流れてる……」
広間に設置されたテレビに俺の事が流れて、
どう反応すべきか迷った。
俺の身を守る為にとは言え、
自分の顔が出ているのは少し
――いや、かなり気恥ずかしい。
小町
「このレトロな形、懐かしいなぁ」
ココ
「町の……友達の家とかではたまに見かけてたけど、
宿にもテレビなんてあったんだねぇ」
大家
「昭和頃からあるよ。
皆気にしないみたいだからしまっておいただけ」
日天
「へぇ……」
娯楽が少ない世界だと聞かされていたから
テレビも無いって勝手に思ってたけど
……電話や照明があるのにテレビが無いわけないか。
燈
「昭和、か。大家さん、キミは一体いくつなんだい……?」
成臣
「椅子は喋らないで下さい」
燈
「アッヒィ!」
あすく
「おい。キモいからまじでヤメろ」
成臣にバールで尻を叩かれ、腰をくねらせ恍惚の表情を浮かべる燈。
そんな二人にドン引きの表情を見せながらも、
自分の部屋に戻らないところを見るとあすくも興味があるらしい。
笑男
「スタパーは? カーチャーンネットワークは?」
成臣
「ニュースとかも見れるんですか?」
大家
「そう言ったものは流れない。そもそも、チャンネルはこの一つしかないしね。
当たり障りない番組は流れるよ」
成臣
「……時代劇は?」
大家
「ああ、それなら見られるよ」